私の出身の杏林大学は、「世界中どこの病院で研修してもよい」という方針でした。実際、外国へ行った人も何人かいましたね。私は地元が帯広なので北海道に戻って来ようと考えていました。北大以外にも候補の病院はあったのですが、一番症例が集まってきて、自分で経験できるところがよいと思い、北大を選びました。
一内を選んだ理由は、循環器も呼吸器も両方あったことです。もともと、身体の中の重要な臓器である循環器、呼吸器に興味があったため、その両方を診られることは大きな決め手となりました。例えば、熱や咳が出て呼吸が苦しいと訴える患者さんや、命にかかわる病気を持った患者さんがいらしたときに、循環器と呼吸器の両方を診られる一内であれば、自信を持って診療にあたることができると思いました。
1ヶ月間北大で研修してみると、やはり予想通りいい病院でした。指導してくれた一内の先生もすごく優しく、いろいろなことを教えてもらえて、「北大の一内いいな」と思いました。
自分は、学生としてはあまり出来はよくなかったのですが、指導員の服部先生ががん治療についてとても細かく教えてくれました。今であれば当然の知識ですが、がんの患者さんだったら抗癌剤を使って何日目くらいから好中球とか、何日目には普通の風邪にもかかりやすくなるから注意したほうがいいよとか、詳しく教えてくださいました。検査データの見方や画像の見方についてもです。先生のご指導は1ヶ月という短い間だったのですが、とても勉強になりました。
私は初期研修の1年めに北大、2年めに市立札幌病院と、大きい病院ばかり回りました。そのため、「一般的な普通の風邪などの症例経験が足りないのではないか」と上の先生からご指導いだたきました。難しい症例ばかり診るのもいいけど、一般的な症例も診られる病院での研修が必要ではないかと。ここ、市立岩見沢総合病院では一般的な症例も多いですし、少し難しい症例も診られます。外来の数も多いので、大変ですがよい経験をさせていただいております。
また、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科はありますが、血液内科や、糖尿病内科はありません。多くの先生方に相談しながら、自分たちで考えていくことで実績を積むことができます。
つい先ほども、挿管して人工呼吸器をつなぐ治療をしてきました。大きい病院なら救急科がありますが、うちの病院にはないので自分たちでやるしかありません。人工呼吸器の管理もできます。まさに都市部にはない病院の強みですね。
近くにある労災病院との合同での研修発表もあり、そのような場はとても刺激になります。
一内の研修先は、大学病院や市立札幌病院など大きい病院もありますし、一方、この市立岩見沢総合病院のように地域の中核を担い、症例がたくさん集まるような病院もあります。多様な研修病院から研修先を選べるという意味でも、一内はよいと思います。あと、科内で呼吸器、がんグループ、脾癌グループがあり、さらに循環器代謝グループでは循環器、糖尿病も診ており、様々な症例を経験できることは医師として大きな力となります。
例えば、「呼吸器内科医になりたい」というように目標を早めに決めて、一内の先生に早めに「入局します」と言えば、研修先の病院の選択の幅が広がりますよ。