去る平成24年4月20日より3日間、第52回日本呼吸器学会学術講演会が、当科西村教授の学会長のもと開催されました。当然札幌で? と思われる先生もいらっしゃるかといるかと思いますが、呼吸器学会は、その規模の大きさより、数年前より関東と関西エリアでの交互での開催が決定しており、今年は関西の順番にあたり、神戸国際会議場での開催となりました。しかし、学会期間中、各会場のスクリーンには北海道の豊かな自然が上映され、ランチョンセミナーでのお弁当には北海道の海の幸が並び、また、北海道物産展も開催されるなど、北海道の雰囲気を十二分に感じることができた3日間でありました。また、神戸国際会議場は、全ての会場が1箇所に集中していることもあり、学会全体の熱気を肌で感じることができ、また、東京での開催と比較すると、会場使用料等も安価で済むことから、西村先生考案のユニークな企画、reception等にも工夫をこらすことができ、むしろ神戸で開催することができたことにとても喜んでいたところです。
西村教授とかなり熟考を重ねたのが、プログラムの選定とそのスケジュールにあります。呼吸器学会とは、実は多くの分野からなる集合体であり、全ての分野にある程度関わりをもつことが、呼吸器科医として重要な考え方です。学会自体にも多くの部会が存在し、各部会からのシンポジアム、教育講演の提案に加え、震災関連の特別シンポジアム、北海道出身の冒険家である三浦雄一郎氏の市民公開講座での講演、また、西村先生が務められている呼吸器分野のトップジャーナルであるAJRCCM(通称ブルージャーナル)のeditorらによる英語論文の書き方 など多岐にわたる講演が企画されました。また、過去数年間企画されていなかった特別講演を復活させたのも西村先生の発案であり、また、若い先生がたにも口頭での発表の機会を与えたいという強い希望により、発表者全員に一般演題での口演の機会を与えたことは、将来、今回の学会が参加者全員の記憶に残るものになったのではと思っています。
初日夜のInternational Receptionでは、腹話術師のいっこく堂さんを招いてのパフォーマンスをおこない、2日目夜には、神戸市郊外にある、元日本生命会長の別荘であり、豪華な日本庭園をもつ「蘇州園」にて、外国人の先生がたを中心としたpartyも開かれ、世界の著名な諸先生方もかなり日本酒に酔われ、楽しいひと時でした。
最終的には、史上最大の参加者数と一般演題数となり、大成功であったと言える3日間であったと思っております。長い歴史をもつ日本呼吸器学会学術大会の一ページの中に、私自身もわずかではありますが、貢献させていただいたことに、大変感謝しております。